2019.2.21@東京
1-WALL(ワンウォール )グラフィック展へ行って来ました。
若手アーティストの登竜門と言われるコンテスト。リクルートが主催し今年で第20回目を迎えます。
(詳しくはこちら⬇︎)
http://rcc.recruit.co.jp/gg/competition/1_wall/020_graphics
応募者は出品作品とポートフォリオ(過去の作品集)を送り、一次審査で選ばれた30名が東京で二次審査に臨みます。
二次審査では一人一人が5組の審査員と1対1で面接し、ポートフォリオを見ながら作品について質問を受けます。
そうして選ばれた6名のファイナリストが、ギャラリーの壁を一面ずつ与えられ、個展の権利をかけてグループ展を開催するわけです。
グループ展の会期中には最終公開審査が行われ、グランプリ作品が選ばれます。
最終公開審査では、ファイナリスト一人一人のプレゼンテーションの後、審査員たちの質疑応答と話し合いを経て投票を2回行い、グランプリを選出。
グランプリ受賞者は1年後に個展を開く権利が与えられます。
実は、わが家の長男が今回ファイナリストの1人に選ばれるという光栄にあずかり、公開審査に合わせて家族で応援に行ってきました。
ギャラリーは銀座のガーディアン・ガーデン。
初めての銀座はニューヨークの5番街のような雰囲気で、テンションが上がります。
ガーディアン・ガーデンは、こじんまりとした素敵なギャラリー。
「アプローチするグラフィック」
3D CGを油彩で描き、表情に視線が行くように絵を配置しています。
今回のグランプリ受賞作品です。
「Figure Out」
二次元と三次元が交錯する作品。平面の絵から立体が飛び出す不思議な世界。
「WALL」
壁に貼られたままのテープや傷の痕跡をリトグラフで制作し、壁に流れる時間を表現した作品。
「Scoot」
写真をベクターデータで書き出した作品。どんなに拡大しても写真のようなビットが出てこない美しさが高く評価されていました。
「私たちのいる意味」
意味なんてないのに、考えてしまう。そのことを考えるとむかつく、と作者。
独特のタッチが評価されていました。
「なりそこない」
長男の作品です。
子どもの頃なりきって遊んだ「必殺技ごっこ」のワクワク感をグラフィックで表現。
モーションエフェクトとキャラクターの一体性を、あえて絵を分断することによって描いた作品。
369枚の断片を標本のように規則正しく並べて展示。分断された絵をつなぎ合わせても完全な形にはならないのに、各々の断片がその一枚で完成された絵として成り立つという手法。
キャラクターは必ず口から描く。人は口を開けている時、最も人間性を失うから、という作者。「個の喪失」もテーマとなっているそうです。
描く素材については、自分が大好きで夢中になれるものを探し続けた結果、子どもの頃の原体験に帰ってきたとのこと。原体験はバーチャルだったというところが、デジタルネイティブ世代の彼らしくておもしろいです。
1票差で惜しくもグランプリは逃しましたが、初めての出品にも関わらず、日本を代表するグラフィックデザイナーやイラストレーターの先生方に高評価を得て、本人も嬉しかったことでしょう。
4時間にわたる公開審査でしたが、第一線で活躍する審査員の方々のアートに対する熱い思いや、若いアーティストのタマゴたちへの愛をひしひしと感じる時間でした。
彼らの今後の活躍に期待大です。