中学英語、文法の危機⁈

2021/11/17 @グランフロント大阪
教育開発出版の情報セミナーに参加しました。
教育開発出版は塾の教材やノウハウを作っている会社です。

中学校の学習指導要領が改定されたことで、中学1年生の英語授業や試験内容がどう変わったのか、80校のデータ分析結果をレクチャーしていただきました。

【学習指導要領改定ポイント】
①語彙が倍増
②発信語彙と受容語彙
③文法項目の増加
④授業の4技能化

以下、セミナー資料を引用します。
保護者への説明会等で使用可とのことですので一部画像を掲載させていただきます。

《語彙の倍増》

小学校で英語が教科化されたことも加わり、習得語彙数が大幅に増えました。
(旧)
中学校 1,200語

(新)
小学校 600〜700語+
中学校 1,600〜1,800語
計 2,200〜2,500語

《発信語彙と受容語彙》

上記語彙は、意味がわかればよい単語・自己表現に使えるべき単語に分かれています。
つまり、リスニングや長文読解では相当量の語彙数が求められます。

ECCジュニアでは、幼児・小学生・中学生それぞれの年齢層に合ったテーマで語彙学習を継続することにより、実感の伴った豊富な語彙が身につきます。
また、幼少期からフォニックスを導入することで、文字の音声化・音声の文字化(=読み書き)も楽にできるようになります。

《授業の4技能化と文法指導》

仮定法、現在完了進行形、原形不定詞といった高校文法が中3の範囲に加えられます。
文法項目が増えるのに、授業時間数は変わりません。
一方、教科書は4技能化され、特にリスニングは主役級‼️「まずは聞いてみよう!」が主流です。

その結果、授業では語彙・文法指導の時間が圧縮されることになります。
実際、中学生の検定教科書「ニューホライズン1」を開いてみると、表現したいテーマが中心で、そこに複数の文法項目が含まれています。文法指導自体が難しい教科書のつくりだと感じます。新しい教科書で文法難民・英語嫌いが増えなければいいですが…

その一方で、リスニング重視の授業では、読み書き文法中心授業で成績上位だった生徒が成績を伸ばせないという現象も起こっているそうです。
学校の授業が楽しめるかどうかはリスニング力にかかっているとも言われていました。


ECCジュニアでは、テーマ学習で英語ユーザーとして多様な英文に触れながら自己発信のトレーニングをするとともに、英語ラーナーとして文法的な理解もしっかりサポートします。
外国語として英語を学ぶ以上、文構造を母語で理解しておかないと正しく使うことができないからです。
ちなみに、リスニングはECC生が大の得意とするところ。きっと新しい授業を楽しんでリーダーシップを取っていることでしょう。

《読解の形態、8割が会話文》

リスニング重視の授業に加え、試験の読解問題の8割は会話文という分析。つまり、読解でもリアルに認知する能力が重要視されています。

また、題材についても教科書からの出題は2割にとどまりました。「学びと評価のガイドライン」で初見の題材が推奨されていることもあり、教科書以外の題材が今後も増加の見込みです。

英作文では、単なる和文英訳ではなく、場面設定や立場を意識したり、自己表現や会話を広げる能力を問う問題が激増!

まとめると、もはや単に知識があるだけでは通用せず、持っている知識や与えられた情報からリアルな場面を想定し、考えたり自己発信できる力がますます必要になってくるようです。

このセミナーの主催者は塾教材の出版社ですので、新しい動向を受けて塾経営者に色々と提案されていたのですが、そのほとんどがECCジュニアでは当たり前のようにやっていることでした。提案にはオンライン英会話の導入まであり、これからの塾の大変さを思いました。

学習指導要領が変わる何十年も前から4技能を重視し、使える英語のトレーニングをしてきたECCジュニア。今回の指導要領改定にも「ようやく来たか」という思いです。
教室生たちには今後も地球市民としてグローバル目線で生きた英語を学びながら、21世紀型能力を存分に身につけていってほしいです。