2021/7/18@zoom
超初心者のためのディベート練習会を開催しました。
PDA教育ジャッジ研修で同期だった先生方と初めて企画したイベントです。
※PDA:一般社団法人パーラメンタリーディベート人材育成協会
ぴよぴよ中高生たち30名が参加、青山台教室からも中1生が参加してくれました。
「ディベートって何?それおいしいの?」という超初心者が楽しくディベートを学べるようにと考えたプログラム
①スキット形式のレクチャー
②立論練習
③反論練習
④質問のしかた
⑤プレパレーション(主張の準備)
⑥ラウンド(ディベートの試合)
これを2時間半でテンポ良く進めます。
ぴよぴよでもしっかり議論できるように懇切丁寧なフォローアップを心がけました。
【レクチャー】
吉本新喜劇のテーマで始まるスキットで笑いを交えながら、
●ディベートはジャッジを説得する知的なゲームである
●各チームの役割
●ラウンドの形式
などを説明しました。スライドを見ながらボケとツッコミで聞くレクチャーが好評でした(^^)
私の演劇魂が顔を出し、脚本と出演を担当させていただきました。
【立論練習】
主張を立論するための型を使うと説得力のあるスピーチができます。
まずは小さなグループに分かれて型を使う練習をします。
【反論練習】
ディベートでは相手チームの立論に対して効果的な反論をすると有利になります。
次は同じグループで反論の型を使う練習です。
【質問のしかた】
ディベート中、相手チームのスピーカーに対して質問ができます。
質問する時は、片手で頭を押さえながらもう片方の手を上げ”POI”と言います。
この不思議な儀式はディベート形式の由来によるものです。
私たちが教えているパーラメンタリーディベートは英国議会を模しています。
昔イギリスでは国会議員が皆カツラをつけていたので、手を上げる時はカツラがずれないように片手で押さえたそうです。
その名残でディベートでも頭を押さえながら”POI!”とアピールします。
【プレパ】
ラウンドの論題が発表され、各チームが準備に入ります。
肯定チームは宿題を廃止すべきであるポイント(サインポストといいます)を2つ決め、その理由と具体例、重要性などを論じ、宿題を廃止すればどんな素晴らしい世界になるかを訴えます。
否定チームは宿題を廃止すべきでないポイントを2つ決め、その理由、具体例、重要性を述べて、宿題を廃止すれば最悪な状態になることを論じます。
各チームに役割が3つあるので、チーム内で分担してそれぞれのスピーチを作ります。
即興型ディベートなので、辞書以外は使用禁止、リサーチはできません。自分たちの持っている知識や想像力を駆使して考えます。
【ラウンド】
25分という短い準備時間の後、いよいよ肯定チーム・否定チーム・ジャッジが集まってディベートが始まります。
ジャッジのコールに従って、決められた順番で制限時間内にスピーチしていきます。
中1生は日本語も混ざりましたが、高校生は英語でのスピーチに果敢に挑戦しました。
すべてのスピーカーが話し終わるとお互いに握手し、ジャッジの判定を待ちます。
同じ論題でもチームによって話すポイントが異なるので、勝敗は終わってみないとわかりません。
【ディベートで身につく力】
パーラメンタリーディベートとは、一つの論題に対し、肯定と否定チームに分かれ、各々のチームが第三者を説得させるパブリックスピーチ型のディベートです。
論題は、社会、政治、倫理、環境、国際問題など多岐にわたります。論題が発表されてから、15~30分程度の短い準備時間の後、ディベートを開始します。
※PDAはこの形式を「即興型英語ディベート」と称して日本各地の高校へ広めています。
ディベートをする者は、肯定か否定チームのいずれに属するかを自ら選ぶことはできず、自身の意見とは異なる観点からの主張も考えなければならないことがあります。
世界では、教育現場にてパーラメンタリーディベートが広く導入されています。ブレア元首相など政治家をはじめ、パーラメンタリーディベートの経験を活かし、多くの人々がグローバルに活躍されています。
即興型英語ディベートで身に付く主要な力は以下の5つです。
英語での発信力(資料を“読む”のではなく、即興で用意した考えを“話す”)
論理的思考力(説得、意見の整理、批判的思考)
幅広い知識(さまざまな論題の取り扱い)
プレゼンテーション力(聴衆を意識)
コミュニケーション力(チームでの活動)
(以上、PDAのホームページより引用)
なにより素晴らしいのは、ディベートのラウンドを経験した中高生たちが、みずから社会的な話題に興味を持ち、英語の習得に意欲的になるとことです。
2022年度から高校の学習指導要領が改定され、英語の授業にディベートが導入されると言われています。ECCでつけた力をディベートでさらに伸ばしていってほしいものです。